Knowledge base func

日本版ITフリーランサーのデメリット

by on 8月.30, 2011, under フリーランス

Share on TwitterSave on Delicious

こんな記事があった。

フリーランスは良いことずくめじゃない–10個の誤解を打ち砕く

japan.cnet.com/sp/businesslife/35006561/

#1:フリーランスは儲かる

#2:フリーランスになれば自らの専門分野に特化した仕事ができる

#3:フリーランスになれば、自分自身が上司となる

#4:フリーランスになれば生産性が向上する

#5:好きなことをして生計を立てているフリーランスの方が幸せだ

#6:フリーランスの人々はパジャマ姿で働く

#7:フリーランスになれば自由が利く

#8:フリーランスになればストレスを減らすことができる

#9:自らのウェブサイトを作成する必要がある

#10:フリーランスになれば朝寝坊できる

 

日本のフリーランサーが抱える問題とだいぶ論点がずれている気がするので適当になぞってざっくり書いてみる。 つっこみ待ち。

#1:フリーランスは収入が安定しない

日本の税制がそもそも情報系のフリーランスを想定していない。一定以上の可処分所得を稼ぐぐらいだったら寝ていたほうがましということもある。特にITは必要経費がほとんどないので、個人事業主だと経費対象がすくない。 具体的にいうならば750万以上稼ぐのであれば法人化したほうがいいし、逆に個人で2000万以上の案件を請負案件をこなすのは自殺行為だ。だから例えば1年分を数ヶ月で稼いでしまて残りの年をノンプロフィットワークに費やすなんてこともできる反面、稼げる仕事にありつけないと、食い詰め浪人になることもある。

#2:フリーランスの専門分野がいつも金になるとは限らない

ITの専門分野は多岐に渡る。ICチップの回路設計から、ホームページまで様々だ。 景気のいい業界にぶらさがるのが情報業界だが、その自分が軸足を置く専門分野が商売になるタイミングというのは非常に限られている。スキルの旬というのは数年もないものだ。

#3:フリーランスになれば、全部の責任が降り掛かってくる

いままでいくつの炎上案件を見たかわからないがフリーランスになるとこのような折衝まで自分でやらなければいけなくなる。 瑕疵担保だとか下請け法だとかいったところでお客さんにそのようなリテラシーを求めるのは非常に困難なことだ。また日本の商習慣上、出入り業者は使いっ走りに扱われる傾向があり、ここらへんをうまくいなせない人は大変なストレスを抱えることとなる。もしサラリーマンから独立してフリーランスになるのであれば、業務として請求や見積もりをするスキルがないとそもそもがやっていけない。売上の回収とかね。

#4:フリーランスに単価の安い若手はいない

プログラミング2~3年生がやるような雑務まで自分で作らなければならない。なぜならフリーランスプログラマーが協力を仰げるフリーランサーはそもそも単価が高い人達なので、ロースキルの人で間にあう部分の仕事を外に振れる仕組みや連携というものがない。 デバッグとかテストとかは制作者とは別の他の人にやってもらったほうが確実にクオリティはあがる。常駐だとその会社のエンジニアをつかえたりするので問題がないかもしれないが、持ち帰りだとここらへんがやはり工数上のネックになってしまう。だが、クオリティの低いものを納品するわけにもいかない。ハリネズミのジレンマだ。

#5:フリーランスは好きなことができる※ただし金があれば

※ただし金があればという必要条件がつく。 日本は最低限の生活をするためのランニングコストが他国に比べると高いように思う。 だから、他に収入がなく泳ぐのをやめたら死んでしまう人がフリーランスになると、息切れしてしまう可能性は高い。 収入がなくても生活できる「安全資産」がどれだけあるかはそれなりに重要な問題だ。 それさえあれば自分を自分で雇えるので好きなことができる。 だからこの必須条件がある時点と、必要とされるスキルセットがある時点で、そんな人はざらには居ない。

#6:フリーランスの人々はどこもまでも自己裁量

部下がやらかして胃を痛くすることもないし、上司から理不尽な要求をつきつけられることもない。 真っ白なキャンパスを前に「絵を描いてください」というと、ほとんどの人は手が動かないらしい。 だから自分でテーマ設定や、目標、課題設定などができない人は、ずっと悩んで終わることになる。

#7:フリーランスに定休日はない

メリハリをつけるのがそれなりに困難だ。パジャマでいつづけることはないが、パリっとした格好からはどうしても遠ざかっていく。世間感覚からもずれていって、土日がオフという感覚からも遠ざかって「普通に土日にデートできる人がいいの!」とフられるかもしれない・・・。

#8:フリーランスは将来が心配

自分しか仕事をしていない以上、自分が倒れたら終りだ。誰かほかのひとが気をきかせてやっておいてくれることもなければ、仲間がケツをもってくれることもない。 非常に将来が不安な職業である。自営業というくくりだと年金のあてもすくない。

ただ、フォローするなら、人生を預けるよりお金を預けるほうがストレスが少ない人はフリーランスを選択すればいいという考え方もある。 大企業が将来も安心なら、株を持って配当貰っておけばいいなんていう考え方が合理的と感じるか否かだ。労働価値と資産価値をどう評価するか個人ごとに違うはずの評価の問題である。 国に老後の面倒をみてもらおうとか、企業に食い扶持を保証してもらおうというスタンスは嫌だなとおもう人もいるかもしれない。実際にはリスクの本質は変わらないのだけど、横並びの日本社会でそこから逸脱することには同調不安がつきまとうのだ。また自分がそれに耐えられても家族や周りが耐えられないかもしれない。

#9:フリーランスの社会的立場は年金生活者並み

ここ30年、日本は銀行社会でもある。 銀行などの与信が人の社会的ステータスを決めることがある。 これが無いと家を借りるのに、正社員がどうのといった連帯保証人だのが必要になるし、ろくなローンも組めない。 もし家をまるごと買えるだけの貯金があったとしてもその家を借りられないという理不尽な事象に遭遇する。 ちょっとバカらしいが、その裏には度し難い問題があるので社会的立場はないと思っておこう。 それが嫌だったら法人化でもしておけ。

#10:ITの社会認知は予想以上にひくい

君の地元の商工会でソフトウエアはどの部会に所属しているだろうか? 土木業と一緒だったり、美容院と一緒だったりしてないかい? 情報通信産業が日本国内で1番の産業規模を誇るにもかかわらず世間の認識なんてそんなものだ。 いい年した大人が窓際でパソコンをいじくっていたら、インターネットで遊んでいると思われる。 そのうち、あそこはどうもパソコンで仕事をしているという話しになると、パソコンを直してくれだとか、ホームページ作ってくれだとか言われる。ホームページなんてつくれない。ワードとかメーラーでアウトルックとか聞かれても判らないのだが、それに答えられないとダメじゃんとか言われたりする。泣いてもいいですか? 昨日は電話一本で「助けて!」って呼び出されて、契約しているホームページ業者が引き落としメールが来たのに、未払いになっててどうしようみたいな事を聞かれた。どうしょうもないんですけど。ちょっとロリポさん!しっかりしてよ! で、この対応のおかげでペプシを一本貰った!やったね!

フリーランスになって地域に居るってことは、パソコンを渡した母親がいっぱいできるようなものかもしれない。

まあ、そんなこんなで困ったらフリーランスのふきだまり三鷹プログラマーズカフェへようこそ! ということを紅茶屋がいってみる。あ、お店を持つと、地域コミット具合が増すよ。


1 Trackback or Pingback for this entry

Leave a Reply

Looking for something?

Use the form below to search the site:

Still not finding what you're looking for? Drop a comment on a post or contact us so we can take care of it!